なぜこのテーマを書くのか
「派遣って続けてもいいのかな…」
「いろんな仕事を経験したけど、自分に合ってるのは何だろう?」
そう感じたことはありませんか?
私は派遣業界で営業・キャリアカウンセリングの両方を経験してきましたが、働く方からもっとも多く聞くのが「このままでいいのか、分からない」という声です。
今回は、そんな不安をやわらげるヒントになる「キャリア・アンカー」という考え方をご紹介します。
特に、選択の多い派遣という働き方だからこそ、この“自分軸”が重要だと感じています。自分らしい働き方を選ぶための“ぶれない軸”を見つけましょう。
派遣社員にとっての「働き方の自由」と「選択の迷い」
派遣の魅力は、以下のような柔軟性にあります。
- 勤務地や時間を選べる
- さまざまな業界・職種を経験できる
- ライフイベントに合わせて働き方を変えやすい
しかしその一方で、こんな悩みや不安も耳にします。
- 「選べるのはいいけど、何を基準に選んでいいのか分からない」
- 「どんな仕事が自分に合っているのか、まだ見つけられていない」
- 「毎回ゼロから選び直すのがつらい」
そんなときに役立つのが、**キャリア・アンカー(Career Anchor)**です。
キャリア・アンカーとは?自分の中にある「譲れない価値」
キャリア・アンカーとは、心理学者エドガー・シャインが提唱した
**「キャリア選択の際に、無意識に大切にしている価値観や欲求」**のことです。
以下の8タイプが代表的です:
| アンカーの種類 | 意味 |
|---|---|
| 専門・職能志向 | 特定分野のスキルを深めることにやりがいを感じる |
| 全般管理志向 | 組織全体の舵取りやリーダーシップに価値を感じる |
| 自律・独立志向 | 自分のペースで自由に働くことが重要 |
| 安定・保障志向 | 収入や雇用の安定性を最も重視する |
| 起業家的創造志向 | 新しいことを始めることにやりがいを感じる |
| 奉仕・社会貢献志向 | 誰かの役に立つことで満足感を得る |
| 純粋な挑戦志向 | 難題や競争に挑むことがやる気の源になる |
| 生活様式志向 | 仕事と私生活のバランスを最優先にする |
なぜ派遣社員にキャリア・アンカーが必要なのか?
選択肢が多く、迷いやすいから
派遣は案件ごとに条件が違い、選べる幅も広いからこそ「何を基準に選べばいいか」で悩む方が多いです。
キャリア・アンカーは自分に合った選択軸を見つける手助けになります。
短期契約や転職が前提だからこそ、判断基準が必要
契約更新・転職・条件変更… 派遣では判断の連続。
キャリア・アンカーを知っていれば、「この先どうする?」の問いにもブレずに答えられます。
多様な経験を“点”ではなく“線”につなげられる
さまざまな現場での経験を「ただのバラバラな職歴」にするのではなく、
「こういう価値観があったからこの選択をした」と意味づけできるようになります。
不安や劣等感から抜け出せる
「非正規だから自信が持てない」と感じる方も少なくありません。
でも、自分の価値観や強みを知っていれば、自信と納得感をもって働けるようになります。
実際に支援した方の声(※内容は一部編集・匿名)
- 子育てが一段落し「生活のペースに合う仕事がしたい」と感じた方が、生活様式志向だと気づき、勤務時間・通勤時間を重視した選択へ。
- 事務職を長年経験していた方が「実は“人の役に立ちたい”という気持ちが原動力だった」と気づき、医療系事務へチャレンジ。
- これまで続かなかった仕事を振り返り、「安定志向」なのに常にチャレンジ枠を選んでいたと気づいたことで、就業継続につながった。
自分のアンカーを見つけるためのヒント
- 過去、いちばんやりがいを感じた仕事は?
- 「これだけは譲れない」と思った条件は?
- 仕事を辞めた理由に共通点は?
こうした視点で棚卸をすると、自分のキャリア・アンカーが見えてきます。
キャリアの“舵”を取るのは、あなたです
キャリア・アンカーは、派遣社員としての働き方を見直すコンパスのようなもの。
「選択肢がある」ことは不安にもなり得ますが、自分の軸があれば、
その選択を前向きに・納得して行えるようになります。
あなたに問いかけたいこと
「あなたが“働く”中で、一番大事にしたいものは何ですか?」
この問いを、ぜひゆっくり考えてみてください。
あなたらしい働き方のヒントは、あなたの中にあります。

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